CHEF'S JOURNEY
シェフの産地めぐり

鹿児島県視察

2019年01月30日

少し前の話になりますが、昨年夏に鹿児島県の産地視察に出かけました。この視察では薩摩川内市と大隅半島の中央に位置する鹿屋市にある産地を中心に訪問。想像していた以上に豊かで個性的な食材に出会い、生産者の皆さんの熱い想いとこだわりに触れることができました。食材を手にする度に生産者の皆さんの顔が浮かんでくる、印象深い視察になりました。






敏ちゃんかぼちゃ

鹿児島県鹿屋市の農家、「敏ちゃん」こと西ノ原敏夫さんが丹精込めて作ったプレミアムかぼちゃは、腐葉土に土着菌を付けた肥料を使用した独自の農法「有機物循環農法」で作られています。農薬や除草剤は一切使わず、虫取りや草取りは手作業で。西ノ原さんの頑固なまでのこだわりと哲学が隅々にまで貫かれています。安心・安全なだけではなく、最高糖度はなんと18度!西ノ原さんの人柄がそのまま表れたような滋味深く、体が喜ぶ優しい味わいのかぼちゃです。

かぼちゃの受粉のために養蜂も行っていて、その蜂が集めたはちみつと地元の牛乳を使って作った「敏ちゃんかぼちゃアイス」もまた絶品!あまりに美味しかったので、昨年夏のランチのデザートにはそのまま採用させていただきました。







ふくどめ小牧場のサドルバックと幸福豚

大隅半島南部にある「ふくどめ小牧場」はヨーロッパで「幻の豚」と言われる希少種「サドルバック」とその交配種である「幸福豚」を日本で唯一飼育している牧場です。「自分で育てた豚を、食べる人に直接届けたい」という想いから、飼育から製造加工、販売まで一貫して家族で運営されています。餌の配合や水にも徹底的にこだわり、ふくどめ小牧場で丹精込めて育てられた豚は週に約10頭しか出荷されない大変希少なものです。

甘く、深い旨みのある脂身が特徴で、噛むほどにジューシーさと美味しさが口いっぱいに広がる「幸福豚」を、昨年秋のランチではチャコールグリルで香ばしく焼き、マッシュルームソースと合わせたメイン料理として、ディナーではビネガーで煮た前菜やグリル料理として提供しました。






ヒラミネファームのアロエベラ

薩摩半島の西方約30kmに浮かぶ甑島(こしきしま)からヒラミネファームの塩田さんが自慢のアロエベラを持って川内市に来てくださいました。離島という立地柄十分な医療が受けられなかった時代から、甑島では島民の健康や生活を守るために家々にアロエが植えられてきたそうです。農薬や化学肥料を一切使用せずに栽培されたヒラミネファームのアロエベラは肉厚でジューシー。この日はアロエの刺身にしていただき醤油を付けて食べたのですが、「ぷるぷる」と「とろとろ」が共存する驚きの新食感と果肉の美味しさに大変驚きました!早速朝食のスムージーに採用させていただきましたが、この食感と味わいを楽しんでいたただけるように料理にも使用してみたいと考えています。実際の畑を見られなかったのは残念ですが、後日青々とした元気なアロエが育つ畑の写真を送っていただきました。







かのや紅はるか

「かのや紅はるか」は鹿児島県鹿屋市で栽培されている、糖度が高く自然な甘さが魅力のさつまいも。収穫後40日以上熟成させることで甘く、クリーミーな味わいに仕上がるそうです。生芋で40度の糖度がありますが、焼き芋にすることで50度にもなるとのこと。今回訪ねた南橋商事の代表・矢羽田さんの芋畑では、ミネラルたっぷりの土から健康で色鮮やかな「かのや紅はるか」が元気に育っていました。焼き芋にして冷やしたものを試食させていただきましたが、想像以上の甘さに衝撃を受けました!ねっとりとした食感もまた魅力です。昨年秋以降、スープなどによく使用しています。







ブルーベリー観光農園ワダの「粒王」

鹿屋市にある「ブルーベリー観光農園ワダ」では、園主の和田さんが「粒王」を紹介してくださいました。ブルーベリーは生で食べる機会が多いので、安心して美味しく食べてもらえるよう栽培方法にこだわっているとのこと。完熟した肥料などの有機物を施すことで病害虫に強い体を作り、農薬や除草剤は使用しません。収穫から選定まで全て手作業で丁寧に行われていて、和田さんの「安心・安全で美味しいものを作りたい」というこだわりと想いが伝わってきます。その名の通り粒が大きく、はじけるような瑞々しさと強い甘味を持つ、大変美味しいブルーベリーです。昨年夏のランチのデザートに、タルトとして採用しました。







辺塚だいだいカンパチ

鹿児島県の大隅半島南部に位置する肝付町・南大隅町には、地域固有の香酸柑橘である「辺塚だいだい」が古くから自生しているそうです。他の柑橘に比べて香り成分が極めて強いのが特徴の、このだいだいを混ぜた餌を食べ、黒潮が流れる大隅半島沿岸の豊かな漁場で育ったのが「辺塚だいだいカンパチ」。だいだいのほのかな風味と臭みの少なさが特徴で、洋食にもよく合うと思い昨年秋のランチとディナーで柑橘のコンポートを合わせたカルパッチョにして提供しました。

 

 

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